ミッテランの帽子
アントワーヌ・ローラン著
吉田洋之訳
新潮社
この本、会社帰りの電車、何気に観ていた東急Bunkamuraからのメルマガに、運命を変えたくなった時に読む魔法の帽子の物語として、紹介されていました。なんか、心にのこり、さっそく、図書館でかりて、読んでみました。数日で読み切りましたが、とてもおもしろかったです。吉田洋之さんの翻訳も素晴らしく仏文が日本語として素直に頭に入ってきます。
ミッテラン大統領が、パリのブラッスリーに置き忘れた帽子が巻き起こす、さまざまなパリの市井の人々の人生の変化のオムニバス、大人のおとぎ話。
さえない会計士、愛人関係からぬけだせない作家志望の女性、才能が涸れ果ててしまった調香師、階級の閉じた社会のなかで閉塞感から抜け出ることができなかったブルジョワ紳士。これら4人が、パリの街中のなかで、ほんの少し接点を持ったばかりに、その後の人生が大きく変わっていく様子です。
話は、さえない会計士が、たまたまはいったビストロに、たまたまミッテラン大統領が入り、会計しの隣に座り、食事をし、帽子を置き忘れたことから、物語ははじまります。この帽子が、会計士から、女性に、女性から調香師に、調香師から、ブルジョワ紳士に渡っていくたびに、その先々で人の人生を大きく成功に導く魔力を帽子が発揮します。
パリの情景が鮮明に目に浮かぶような文章の流れがすばらしいです。もうすぐ一年前になりますが、ある意味、言ったばかりで街の印象が残っているので、物語の中に、自分が、小説の中で、一言も発しない、第三の登場順物として入り込んでいきました。パリの街の魅力の元に展開される素敵な小説です。また、パリに行きたくなりました。パリは街の魅力が高い都なんですね。
朝日新聞AERAの書評にもでていましたね。
ミッテランの帽子 アントワーヌ・ローラン著/吉田洋之訳
そういえば、ミッテランさんの料理人さんの話、「大統領の料理人」という映画もありましたね。ミッテランさん、そんなにカリスマ性があるというか、フランスの皆さんにいじられキャラクタだったんでしょうか
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