家は生態系

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家は生態系
ロブ・ダン
■白揚社
久しぶりに、ページをめくることが、面白い本に出会った。
都市生活が主になってきている現代社会。友達の少なかった私にとっては、かけがえのない友である虫を、怖がる、今どきの子供達。さらに、コロナ禍の影響もあり、一日じゅう、一歩も家から出ない日々を”新しい日常”なんていう美辞麗句でごまかされ、暮らすようになった。そんな、われわれ、ホモ・インドアラス。
しかし、この本で紹介されている事実を踏まえると、家、住居は、完全に人間が人工的に創り上げた環境、とおもいきや、そんなことはなく、我々は、普通の家庭に、普通に20万種以上の、細菌、真菌、節足生物、昆虫、両生類、は虫類に囲まれて、暮らしいるらしい。確かに、家の中には、極端な環境が揃っている。極暑のところ(給湯器、シャワーヘッド)、極寒のところ(冷蔵庫)、乾いたところ(玄関)、ジメジメしたところ(お風呂場)、いろんな環境が整っている。ヒトと慣れ親しんだ微生物がすめないそういう環境に、地球上の片隅で静かに暮らしていた微生物が住み始めているらしい。
たとえば、いまでは、だれでも名前を知っているPCR。このPCRの処理プロセスの中、高温にして、二重ラセンから分かれた、ヌクレオチド鎖からヌクレオチドを重合する酵素が、海底火山などの熱水噴出口に生息していて高熱に強い好熱菌がもっているDNA合成酵素(taqポリメラーゼ)だったとは。いま、その菌は、家庭の給湯器の中で生息していることは知らなかった。
また、ヒトは、歩いているだけで、自分の細胞の死骸(アカ)をおとしていくらしい。それを、食べて生き残っているのが、家庭内節足動物らしい。たしかに、クモ、カマドウマ、ゲジゲジ。どこから、入ってくるんだろう?どうやって、生き続けているんだろう?と、不思議だった。
ワイン用のブドウを発酵させる酵母。ワインセラーの蔵に、いるものとおもっていたけど、どうも、それだけではないらしい。ワイン畑を飛び交い、ぶどうの花を授粉してくれる蜂の腸内に腸内細菌として生息している酵母が、良い味をだしているらしい。知らなかった。
汚いことは、悪いこと。そうやって、せっせせっせと、手を洗う、衛生観念を学校教育で洗脳されてきた。事は、それほど、単純ではない。家の中をキレイにし、殺菌、滅菌し、生物多様性を下げるた結果、一部のブドウ菌など、おとなしくしていた菌が暴れ出し、ヒトを病気にする事例が、紹介されていた。
「テロアール」。多様な生命体が醸し出すバランスの世界が、いちばん、ひとにとって過ごしやすい世界なのだろう。
うちの庭にも、うえる草花の種類をふやしてみるか。。。

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