
「サイロ」というとピンと来ないけれども、「たこつぼ」というと、よくわかる。会社のなかもサイロだらけ。いわゆる成績優秀な人が多い会社ほど、そうなんだろう。成果評価主義はそれを助長する。
全体効率を上げるという目的が故に、仕事を分類し、分類ごとに最適化を進める。なのに、その分類が効率をさげてしまうという事実。しょせん、人の考えることなんてその程度。いや、寺田寅彦の随筆「自然界の縞模様」、複雑系いうところの分岐、かもしれない。情報、エネルギーが伝達できる範囲は局所化され、そのなかでだけ対流する。
この本の中でも、ニューヨーク市、ソニー、UBS、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、シカゴ警察があげられているが、どこでもおきていることは似たり寄ったり。部落のしきたり、文化を守っている人が良い子。本当か?
かたや、ソーシャルネットワークそのものを生業にしているFaceBookはサイロの恐ろしさに気がついていて、対策を取っている。サイロの恐ろしさは、ピクサーのPresident, Edwin Catmullも指摘していた。StartUpsが成長の途中でおちていく穴と表現していた。Sun Microsystemsの建物をFaceBookが使っているとは知らなかったし、Sunはそのサイロの穴に落ちていった。
インサイダー兼アウトサイダーというみかたが、これを救うという、著者の考えに共感。著者が教えてくれたアイデアや方法論を手にして、現実にぶつかるしかない。
■サイロ・シンドロームの弊害を緩和するためのアイデア
・部門の境界を柔軟で流動的にしておくこと。
・報酬やインセンティブについて熟慮すること。
・情報の流れ。データの共有。何がおきているかを伝える「文化の翻訳家」
・組織が世界を整理するために使っている分類の定期的な見直し
・データを分析するためのITの活用、データサイエンスのことか?
■人類学の六つの方法論
・現場のミクロパターンを理解し、マクロな全体像を掴む
・オープンマインドで物事を見聞きし、要素の結びつきを見極める
・タブー、社会的沈黙に関心を持つ
・建前と現実のギャップ、語られる事柄と現実の行動の比較
・異なる社会、文化、システムを比較
・人間の正しい生き方は一つではないという信念
人は所詮、サルなのか。。。。
■サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
■ジリアン テット (著), 土方 奈美 (翻訳)
■文藝春秋社
コメントを残す